『刃牙』の花山薫の優しさにキュンとして、範馬勇次郎に共感する

「男性向けの格闘漫画でしょう?」と思っている女性にもオススメ!

こんにちは。えなこです。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが私はコスプレイヤーをしていて、アニメや漫画は好きでも、格闘技はまったく詳しくなくて…実は『刃牙』シリーズをちゃんと読み始めたのはこの1年くらいです。それでも今ではすっかりハマっています。

最初の「刃牙」シリーズは『グラップラー刃牙』 ©︎板垣恵介(秋田書店)

きっかけは『月刊少年チャンピオン』でやらせていただいたコラボグラビアです。『バキ外伝 烈海王は異世界転生しても一向にかまわんッッ』の単行本1巻発売記念でした。ただ、『刃牙』が格闘漫画ということは知っていたので、新作が「異世界転生もの」と聞いたときは、さすがに「えっ!?」とは思いましたね(笑)。

コラボの撮影の時にきたチャイナレオタード衣装です。

でも、いざシリーズを最初から読んでみたら、どうして今まで読まなかったのかというくらい面白くて。長いシリーズですけど、一気に読破しました。

強面のヤクザなのにオムライスが好きな花山薫にキュン

どうしてそこまで好きになったのか。個人的なことなんですけど、私は「女の子なのに気が強い」とか「考え方が男っぽい」とか言われやすいタイプで、「もっと女の子らしいほうがいいのかな」と落ち込むことが少なくなかったんです。

だけど、『刃牙』っていう漫画は、「どんな生き方でも、強くあればいいんだ」っていう価値観じゃないですか。私は女の子ですけど、そういう作品に出会えたことで、自分の生き方を肯定された気がしました。読んで勇気がもらえるし、背中を押してもらえる。

『範馬刃牙』30巻より ©︎板垣恵介(秋田書店)

しかも、作品で描かれる「強さ」には、いろんなかたちがあるんですよ。単純に格闘家としての強さだけを描いているわけじゃない。それこそ、主人公の範馬刃牙のライバルでヤクザの花山薫なんて、作中で最強なわけではないですけど、誰よりも優しくて、心の強さが一番だと思います。

本当に花山薫は大好きです。少年時代のエピソードで、刃牙がお母さんにひどいことを言われて、とぼとぼ家に帰るシーンがあります。そうしたら花山が現れて、刃牙を慰めるんです。しかも、長身の花山が膝をついて、小柄な刃牙と同じ目線で声をかける。花山もお母さん思いな人だから、母親に愛されたいのに愛されない刃牙の切なさが理解できたんでしょうね。

『グラップラー刃牙』18巻より ©︎板垣恵介(秋田書店)

重病のお母さんをお見舞いするシーンも印象に残っています。お母さんが大好きなバラの花束を握りつぶして、そこから絞り出した一滴の香水を顔にふわっと広げてあげるんです。そのときの花山の眼差しが、とにかく優しさに満ちあふれていて…。

それに好物がオムライスなところもかわいい! 『バキ外伝 疵面-スカーフェイス-』に描かれているんですが、定食屋で「あれを…」って頼んだら、お子様ランチにありそうなオムライスが出てくるんです。カラダがものすごく大きいのに、オムライスを小さなスプーンで食べる姿は何度見てもキュンとしちゃいます。

『バキ外伝 疵面-スカーフェイス-』1巻より ©︎板垣恵介・山内雪奈生(秋田書店)

花山薫を好きになって、『刃牙』シリーズは本編だけでなく、外伝も読むようになりました。特別編の『SAGA[性]』も読んでいます。範馬刃牙と、その恋人の梢江の“一夜”を描いた単行本で、私はちょっと感想が言いにくい内容(笑)。キスシーンで解剖図が出てくる漫画なんて初めて読みました。とにかく描写が衝撃的で、これも忘れられない作品のひとつです。

一時期は自分を「勇次郎みたい」と思ってました

いちばん好きキャラクターは花山薫ですが、「共感できるのは?」と聞かれたら、刃牙の父親である範馬勇次郎をあげます。「地上最強の生物」と言われている人と自分を並べるなんておこがましいですよね(笑)。でも、一時期は自分を「勇次郎みたい」と思うほど感情移入していました。

人間離れしたキャラクターばかり登場する『刃牙』シリーズでも、勇次郎は文句なしに最強です。素手で猛獣を倒すし、軍隊すら圧倒します。誰かに苦戦することすらないんです。

だけど、そんな彼がふと、孤独についてつぶやくシーンがあります。強すぎるから、ライバルがいない。強すぎるから、同じ立場で話せる友だちがいない。その悩みに誰も共感してくれない。「理解んねェだろオマエたち」って言うんです。

『範馬刃牙』36巻より ©︎板垣恵介(秋田書店)

私がメディアに出るようになった頃は、コスプレイヤーを職業にしている人が珍しかったんですよ。同業者が少ないから、悩んでも相談できる人がいなくて、ずっと孤独な仕事だと感じていました。だから、勇次郎のつぶやきを読んだときに、「その気持ち、わかる!」となったんです。それ以来、「勇次郎だって孤独なんだから、私も強くあり続けなきゃ」と思っています。

花山薫の優しさにキュンとして、範馬勇次郎の悩みに共感する。数々の名勝負に興奮するだけじゃない、いろいろな楽しみ方ができるのが『刃牙』シリーズの魅力だと思います。だからこそ、「男性向けの格闘漫画でしょう?」と思っている女性にもおすすめしたいですね。


Written by

えなこ