16歳には難しかった…AKBで歌った本当に悪い女の子の曲『嵐の夜には』

29歳の大人になった今の私が歌ったらどうなるんだろ?

はじめまして。宮崎美穂です。

私は元々AKB48というグループに所属しており、当時中学二年生の14歳で芸能界という世界に飛び込みました。

AKBは今年の4月に卒業しました。その時に撮影してもらった写真です。

アイドルに憧れがあったというよりは、ただダンスを踊るのが好きで、歌を歌うことも好きで、いつしかステージの上に立って自分自身を表現することに憧れを抱き始めました。毎日毎日オーディション雑誌を見ては夢が膨らんでいき、そこで見つけたのが当時まだ世に知られていないAKB48というアイドルグループのオーディションでした。

念願のセンターポジション!ユニット曲『嵐の夜には』

AKB48は秋葉原に専用劇場があり、ほぼ毎日公演を行っています。

代表曲といえば、『ヘビーローテーション』や『恋するフォーチュンクッキー』など数々のシングル曲がありますが、テレビでは披露しないAKB48劇場で歌い踊る、いわば公演曲というものがあります。

右も左もわからずに、先輩メンバーの背中を見ながら、ここから夢を叶えるんだと汗を流して必死に歌って踊っていた当時14歳の自分は、ついていくのに必死でした。

そして、日々経験を積んだ私は、研究生から正規メンバーとなり、テレビやメディア露出も増え、目標であったシングル曲の選抜メンバーにも選ばれ、公演演目が新しく始まるタイミングでプロデュサーである秋元康さんからセンターポジションのユニット曲をいただきました。

『嵐の夜には』という楽曲です。

歌詞の内容に衝撃!16歳当時は難しかった「悪い女の子の歌」

当時16歳だったかなあ。

初めて歌詞を読んだとき、デモテープを聴いたとき、その瞬間のことを今でも鮮明に覚えてるんです。

アイドルの楽曲って、ピュアなラブソングや応援ソングが王道なんですけど、この『嵐の夜には』って本当に本当に悪い女の歌なんですよ。笑

初めて歌詞を読んだとき、すっごい衝撃を受けましたね。笑

これ自分に歌えるのか?と不安になりました。

10代の頃の私。若かったなぁ(笑)

まずAメロの歌詞が「出会いと愛し合う順番が 彼女よりも遅かっただけ」と始まるんですけど、親友の彼を奪ったという設定で、「あなただけいれば 敵を作ってもいい」と続くんです!

どうですか?

順番がちょっと遅かっただけ…もう周りがなんと言おうと私には彼さえいてくれればいいんだという強い気持ちが書かれてますよね。遊びじゃないですよ。敵がいようと彼がいてくれればいいって、簡単に言えることではないから。

歌詞を考察してみると、この女の子は自分が親友の男を奪う”最低の女”と自覚していて、地獄に落ちて業火に焼かれるような苦しみを味わうことをわかっているんです。それでも愛する気持ちを抑えられないことを歌にした曲なんです。

大人の恋愛…サビの歌詞が深すぎる

恥ずかしい話ではありますが、当時まだ若かったので、歌詞を読みながら「この女性はどんな気持ちなんだろう?」、「地獄に落ちてもいい愛ってどんな気持ちなんだろう?」と想像するのが難しかったんです。

ただ、初めて挑戦する強いメッセージが込められた大人の曲だったので、絶対に自分の代表曲になるようにファンの方に届けたかったので毎日毎日歌詞を読んで歌い、踊りました。

そして1番好きな歌詞がサビの部分です。

せめて、嵐の夜の日には「あなたに抱かれてすべて忘れたい」「今いるこのベッドも 2人だけの世界」とこの女の子の気持ちが歌詞になっているんですが、深すぎますね。大人の恋愛だなぁ。

この楽曲は、ダンスも激しい振り付けになっていて、何度も何度も何度も何度も歌って踊って充分に意味を理解し表現することが大切でした。

毎回劇場で歌い、曲の人気も出た頃には、宮崎美穂の代表曲は『嵐の夜には』と言って下さるファンの方も大勢いらっしゃいました。

もし29歳の大人になった私が『嵐の夜には』を歌ってみたら?

この曲に限らず、歌詞を読んで「この時どんな気持ちだったんだろう?」「なにを伝えたいんだろう?」と考える事が音楽を表現する者として大切なことですよね。

何が正解かは分かりません。

というか正解はありません。表現の仕方は十人十色です。きっと成長と共に表現の仕方が違うし、毎回違うように表現することもあります。

なので、グループを卒業しても、AKB48の歌を聴くし、歌詞を読みます。

当時は16歳で幼い子供の私が表現していた『嵐の夜には』と現在29歳の大人になった私が表現する『嵐の夜には』ってきっと全然違いますよね。

今、披露する機会があったら、どう表現しようかな?なんて考えるだけでも楽しいですね。

そう考えるとやっぱり音楽の力って凄いなぁ。

皆さんも是非『嵐の夜には』聞いてみてくださいね。歌詞に共感する思い当たりがある方も、そうでない方も。