萌え×グロのギャップに驚き 篠崎こころの人生を左右したアニメ『ひぐらしのなく頃に』

コスプレを教えてくれた“センセーショナルな萌え系アニメ”

中学生の頃に竜騎士07さんの小説や漫画が流行っていて、学校では「あれ読んだ?」とよく話題になっていました。

『ひぐらしのなく頃に』のアニメを見るようになったのも、竜騎士07さんの原作ということで友だちから勧められたことがきっかけでした。

私は女子校に通っていたので、オタクっぽい趣味も、けっこう隠さず話していました。教室でライトノベルを読んでいるような子も当たり前にいて。異性の視線を意識しないから、好きなものを好きって言いやすい環境だったんです。

萌え系の絵柄×猟奇的な物語というギャップに驚き

「けっこうグロいアニメなんだよ」というのが友だちの『ひぐらしのなく頃に』評でした。だから、最初は怖いもの見たさでしたね。

雛見沢村という架空の村で起こる猟奇的な事件を中心にしたミステリーなので、殺人シーンなんかはすごくグロい。

でも、実際に見たら、何よりも内容の面白さにハマってしまいました。当時はパソコン画面の背景を『ひぐらしのなく頃に』にしていたくらいです。

驚いたのは、絵柄と物語のギャップでした。

ストーリーは主人公の前原圭一が雛見沢村に引っ越してくるところから始まります。そこでレナ、魅音、沙都子、梨花という4人の少女に出会うのですが、彼女たちはいわゆる“萌え系“のキャラクターで、みんな見た目がかわいい。

「田舎を舞台にしたラブコメでも始まるのかな」と思っていると、ある瞬間から彼女たちも村の様子も豹変して、グロテスクな事件が起きてしまう。

ほのぼのとするエピソードもちゃんとあるんですよ。みんなで仲良く鬼ごっこをする回(『ひぐらしのなく頃に解』第2話)なんて大好きです。

でも、そういう日常の描写がエグい惨劇と隣合わせになっているから、感情がジェットコースターのように揺さぶられるんですよね。

斬新すぎるストーリー展開に「こんな作品見たことない!」

普通は作品を見る前に、「こういう絵柄なら、こんなお話だろうな」と想像するじゃないですか。

でも『ひぐらしのなく頃に』は絵柄から受ける印象と実際の内容が、あまりにもかけ離れていて。こんな作品、見たことなかったんです。

お話の進み方も新鮮でした。

ネタバレになっちゃいますが、バッドエンドになるたびに時が遡るという“タイムループもの”なんです。

こういう設定は同時期に流行った『涼宮ハルヒの憂鬱』にも出てきましたけど、思春期だった自分にとって、「こんなストーリーの描き方もありなんだ!」と衝撃を受けましたね。

二次創作を知るきっかけとなった『ひぐらし』 一番好きなキャラは…?

私にとっては、コスプレの世界への入り口になってくれたという意味でも特別な作品です。

もともと同人ゲーム(サウンドノベル)が原点の作品ということもあって、私がアニメを知る前から『ひぐらしのなく頃に』の同人活動は活発でした。

私には10歳上のいとこがいるんですけど、私が好きだと言ったら、『ひぐらしのなく頃に』の同人誌を貸してくれたんです。

私が自分でコスプレをしてみるのはもっと先のことなんですけど、二次創作やコスプレというカルチャーを知るきっかけにもなったのが「ひぐらしのなく頃に」で好きなキャラクターや作品への愛は様々な表し方があることを知りました。

じゃあ、作中でどのキャラクターが好きかっていうと……、やっぱり竜宮レナかな。

主人公の圭一と同い年のヒロインなのですが、特に私服が好きです。

だって衝撃的なデザインじゃないですか!?(笑)。田舎なのに白いワンピースに白い帽子ですよ。しかも、口調が「はうー」とか特徴的で、いちばん萌え系っぽいキャラクターかもしれません。

でも、怒ると別人のように怖くなったり、時々、猟奇的な面が垣間見えるんですよね。好きすぎて自分でもコスプレをしましたが、まさに表現したかったのは、そのギャップでした。

"センセーショナルな萌え系アニメ"の原点

『ひぐらしのなく頃に』の女の子たちはみんな、レナみたいに表と裏があって、それが魅力的なんです。こういう要素は『魔法少女まどか☆マギカ』などのヒット作にも受け継がれていますよね。

キャラクターの見た目はかわいいけど、実はいろいろなものを背負っている。そして、かなり残酷な出来事に巻き込まれていく。

『ひぐらしのなく頃に』は、そういう“センセーショナルな萌え系アニメ”の原点と言えるんじゃないかと思っています。

こうやって振り返ってみると、『ひぐらしのなく頃に』からは本当に大きな影響を受けました。私のホラーやミステリー好きは、ここが起点になっているし、自分の趣味嗜好を決めてくれたと言っていい作品です。


©2006竜騎士07/ひぐらしのなく頃に製作委員会・創通

©2007竜騎士07/雛見沢御三家