篠崎こころが心酔したアイドルソングの神曲BiS『nerve』

「10年以上経った今でも愛し続けています」

篠崎こころです。

今回は、20代のほとんどを捧げた青春の一曲である、BiSさんの『nerve』(2011)を紹介します。

BiS『FiNAL DANCE / nerve』CD盤(通常盤)ジャケット ©︎avex trax

この曲は個人的にすごく好きというだけでなく、私がアイドルとして活動をしていた時期に、何度かカバーさせていただいた曲でもあります。

今現在もカバーしているアイドルの方々がいらっしゃって、ライブを観に行っていたときに『nerve』が流れると、自然と振り付けを踊ってしまっている自分がいます。

アイドルを辞めてから6年が経った今でも、身体が自然と動き出してしまうくらい自分に染み付いている曲なんです。

会場の外からファンが走ってくる!

私がアイドルを始めた当時から、BiSさんはアイドルグループとしてものすごく勢いがありました。

そんなBiSさんの『nerve』が今もカバーされ続けているのは、カリスマ的グループの代表曲というだけでなく、この曲がアイドルソングの定番になったからだと思っています。

とにかく『nerve』が流れるだけで、会場の沸き方がすごかった!

「どこのグループ推しか」なんて関係なくなるんです!

この曲がかかるとアイドルファンから、楽屋にいる出演者まで全員が盛り上がりました。

私たちがカバーさせていただいた時にも、「『nerve』だ!」って気づいて、会場の外から走ってくるお客さんもいたくらい。

ライブでこの曲を出来ることが、とても嬉しかった記憶があります。

まさに「アイドル好きなら、みんな集合!」となる曲で、アイドルの女の子たちも、ファンのみなさんも、ライブ会場に通っていた人たちは、誰もが『nerve』に間違いなく心を動かされていました。

かわいいだけじゃないアイドル像を根付かせたBiS

曲や歌詞が素晴らしいことはもちろんですが、ここまで愛されている理由のひとつは、会場が一体になれる“振り”があったから。

サビで片足を上げてエビ反りをする振り付け(通称エヴィゾリ)が、『nerve』の特徴ですが、会場で聴いているみんなは、メンバーと一緒に踊るんです。他のパートを含めても振りコピをしやすい曲でした。

今のTikTokブームから見ても、「一緒に踊れる曲」である『nerve』は出演者とファンの方との距離を縮めるかなり大きなパワーを持っていたと思います。

さらに、当時のライブ会場では、リフト(ファンが別のファンに持ち上げてもらうこと)やモッシュ、ダイブなども盛んに行われていて、『nerve』でもよくリフトが起こっていました。

曲自体は「強がっている女の子の可愛らしいラブソング」なんですが、そういった曲でロックライブのように盛り上がる文化をつくったのがBiSさん。アイドルの魅力は“キラキラでかわいい”とか、“歌やダンスがすごい”だけじゃない……!! ということを世の中に根付かせてくれた存在でした。

「ファンの人に言ってみたい!」が詰まった歌詞

『nerve』は歌詞もすごくいいんです。

"カッコつけてるつもり?"から始まり、"それとも私のこと好きじゃないの? 勇気がないの?"と続く歌詞が、ファンの方に向かって問いかけているように感じるんです。自分が推しているアイドルにそう聞かれたら、「もう、大好きだよ!」って答えたくなるじゃないですか。

個人的にも、この歌詞パートがくるとテンションが上がります。

本当は応援してくれるファンの人に言ってみたい。「私のこと好きじゃないの?」って。「好き」って言ってほしいから。

でも、そんなの直接は言えないんです。恥ずかしくって。

だから、ファンにとってはアイドルに言ってほしい言葉だし、アイドルにとっては歌うことでファンへのメッセージにもなる。そういう曲だからこそ、アイドルソングの定番になっていったのかなと感じました。

10年以上経っても愛され続けるアイドルソングの最高峰

BiSさんには『nerve』以外にも、好きな曲がたくさんあります。『Give me your love 全部』、『My Ixxx』、『レリビ』、『primal.』、『DiE』……。

どれも思い入れが多くて、一つひとつあげていったらキリがないので、全てを語るのはまたいつかにしますが、私にとっては本当に心酔したグループでした。

メンバーで誰推しだったかと聞かれたら……カミヤサキさんかな。

パフォーマンスが指先や視線を送る先までカッコよくて……。

でも、BiSさんのメンバーは全員大好きです。

アイドルなのにパンクな部分もあり、尖っていて誰にも媚びない。アイドルグループというよりも、ロックバンドを応援するような気持ちだったかもしれません。

「それぞれのメンバーに、それぞれの魅力があってみんなカッコいい!」というのが当時の正直な気持ちです。

実際、研究員(BiSファンの総称)の方々も、グループ全体を応援する「箱推し」も多かった気がします。“楽曲派”(曲が好きで推している)なんて言葉も、同じ時期からよく聞くようになったと思います。

リリースはもう10年以上前になりますが……、最初に言ったように、今でも変わらず愛され続けている『nerve』は、アイドルにとって大切な曲です。

新しい世代のアイドルファンの方々も、『nerve』の歌詞や振り付けを覚えておけば、イントロがかかった瞬間に、「あの曲だ!」ってみんなと盛り上がれるかもしれないですよ!